よつばと!雑感

 何年かの間、よつばとは何故か「4の倍数の巻だけ家にある」というトンチキな状況だったのだが、13巻が出たとき(ずいぶん前だけど)に13巻を買い、急に11巻が読みたくなって11巻を買い、散歩してるとき公園で読もうと思って9、10巻を買い、7巻から6→5と遡って集め、去ったゴールデンウィークに東京で14巻を買い(沖縄はまだ入荷してなかった)、4巻を紛失していることに気づき、先ほど1〜4まで集め、既刊コンプリートを果たした。

 久しぶりに初期の話を読むとノリがコミカルというか、漫画だなーと思う。あさぎがプール行くと思って一張羅着てくるジャンボとか、漫画してるなと思う。あとまだみんなとの関係性が出来上がってない感じがこそばゆい。仲いい人と知り合ったばっかりの頃の写真見てるみたいな気持ちになる。

 初期のよつばと!は「(日常)世界の中のよつば」っていう構図で、それが途中から「よつばが見ている(日常)世界」っていう構図に転換したんだと自分は考えていて、その構図がよつばと!を唯一無二の作品にしてるんじゃないかと思う。言うなれば初期のよつばはドラえもんで、それ以降のよつばはのび太くんなのである。大体5巻あたりが転換期なんじゃないかと思っている。

 個人的に印象深いのは11巻のしゃぼん玉の話である。就活中、東京へ行き、面接までの時間をつぶすために入ったネットカフェでその話を読んだ。私は就活がまるでうまくいかなかった側の人間だったので、そのとき抱えていた焦りや不安に、転んで痛がりながらもしゃぼん玉が面白くて「ゆきだるまみたい」と泣き笑いするよつばが心にぴったり飛び込んできて、ネットカフェで大泣きした覚えがある。そのときの気持ちはもううまく思い出せないけど、今読むと「あのとき自分頑張ってたな」と思えて少し懐かしい。もう6年も前になるのか〜。

 今読んで一番好きな話は焼き肉の話である。小さい頃、お盆やらお正月やらで大人が家に集まってきて、よく分からん話で盛り上がり、たまに冷蔵庫からビール取ってこいとか言われて、それがうれしいみたいな、不思議と高揚する感じを思い出す。あの話は大人たちがリラックスしているところがすごく良いし、「ハーゲンダッツ」のオチもいけてる。

 ちなみに「よつばと男性陣で誰か好きか」という鉄板の話題があるけれど私は心の底からやんだ派である。なんとなく周囲には「やんだ好きは浅薄なオタク」という風潮があるのだが、酒飲まない(焼き肉回)、タバコ吸わない(しゃぼん玉回の「おまえ吸うの?」というとーちゃんのセリフ)、キャンプで子どもたちが探検に行くとき、スッと付き添いを申し出る後輩力、子どもと(同レベルで)遊べる、……など魅力は尽きない。13巻以降は妙にカワイイ顔をしているけれどちょっと前のいかにも雰囲気イケメン然とした雰囲気も好きである。やんだ好きだ、結婚してくれ……。

 やんだの夢小説書こ!!!!!!!!!